三方(さんぽう)よし あれこれ


梅雨に逆戻りしたかのように、急に降り出したり、薄日が漏れたりのきのうの日曜から、雲の多いむしむしする新しい週が始まった。週間予報ではこんな日が2、3日続くようだ。


きのう7月23日の誕生日の花はハスとラジオ深夜便。先週の17日と18日にハスの写真をアップしてしまったが、深夜便でハスの名前の由来を語っていたので、写真と共に忘備録として残すために再登場。ハスの花托(下の写真。花が咲いている時の中央の黄色い部分)が花が終わると右上の写真のように蜂の巣のようになり中に黒い実ができる。その蜂の巣が転じてハスになったということだ。



おとといの土曜の朝のラジオ深夜便「明日へのことば」の「近江商人の商いに学ぶ」は大変興味深く聞いた。近江商人の思想・行動哲学である三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」。この思想の普及活動をしている「三方よし研究所」専務理事の女性(名前は聞きそびれた)が歯切れ良い語り口で語っていた。


社会に出てから近江商人の流れをくむ企業として、高島屋、西武セゾングループ伊藤忠商事武田薬品などがあるということは色々な機会に見聞していた。今年の3月まで放送していたNHK朝の連ドラ「べっぴんさん」のヒロインすみれの実家は近江商人の流れをくむ神戸の商社だったことから、そんなことを重ね合わせながら聞いた。




そもそも、三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」とは、売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手も満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならないという理念であるという。こうした理念を基盤とした家訓・家憲が近江商人たちの子孫への戒めとして今に引き継がれているという。その代表例が以下の通り。



● しまつしてきばる
近江商人の商いは薄利だから「しまつ」を必要とし多売するために「きばる」ことが求められる。単なるケチでなくたとえ高くつくものであっても本当に良いものであれば長く使い、長期的視点でものごとを考えることが求められている。


● 利真於勤(りはつとむるにおいてしんなり)
投機商売、買占め、売り惜しみなどによる荒稼ぎ・暴利ではなく本来の商活動にはげんで利を得よ。


● 陰徳善事(陰徳とは目に見えない陰の間で人のためになるよう行え)
人のために尽くすことには、自己顕示や見返りを期待せず人知れず行え。


ざっと、こんな話だった。こうしてみると「物心両面の繁栄により、平和と幸福を実現していく」という松下幸之助の理念を普及を目指したPHP研究所と一脈通じたところがあるような気がする。そして、日本という国を欧米に置き換えてみると、上方・関西が欧州で江戸・東京が新大陸米国といった関係に見えてくる。