消え行くカラスウリ、出現キカラスウリ

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天候不順で梅の土用干しをする時がないと嘆いていたカミさん。今度の月曜7日はもう立秋だ。夏空を見ないうちに暦では「秋」の字が顔を出している。なんともおかしな天気のきょうこの頃だ。きょう8月4日の誕生日の花はサルスベリ百日紅)。わが家の庭にあったこの木、やせ細って申し訳程度にしか花も咲かないので、おととし切ってしまった。


夏から秋まで3ヶ月間、約百日間ピンクの花を咲かせるところからサルスベリ百日紅)のネーミング。また幹がスベスベで、猿も登れないところからサルスベリ(猿滑)とも。ウォーキング途上に白い花のサルスベリを見かける。その花をどう表記すればいいだろう? 百日紅では失礼だし、猿滑か? カタカナのサルスベリが一番無難だ。



おとといの日記で「消えゆく生き物 出没する生き物」と題して、我々の生活圏の環境の変化に合せてそこに生息する生き物の消長を10年間にわたるクマさんの日記を通して探ってみた。その第1回が見られなくなった「山まゆ」と「たぬきの街中出没」だった。


第2回目のきょうは、林や藪で見られなくなった「カラスウリ」と街中でみられるようになった「キカラスウリ」だ。四つ池南の農道沿いの竹藪と林の混在する場所で去年までは夏の夜にカラスウリの花の先の糸状のレースの競演が見られた。(上の写真)今年はまったく見られない。これは、自然界の現象というより、木の枝やつるが農道にはみ出すので伐採したという人為的な現象ではないかと思う。



300坪ほどあるわれらが家庭菜園の北端はフェンスで仕切られ北側は住宅が密集している。わが家の東50mほどの距離だ。ご近所さんとのウォーキングのスタート地点でもあるその場所で、上の写真の花が5.6輪咲いているのを見つけた。きのうの朝のことだ。カラスウリに似ているが、カラスウリは夜明けとともにしぼんでしまうのにまだ咲いているのではないか。


日没後再度観察。花の先のレースが、朝見た時より伸びて活動しているといった感じだ。(下の写真)ネットで調べてわかった。これはカラスウリの仲間のキカラスウリだ。頭にキがつくカラスウリとただのカラスウリとはどこが違うか以下のことが調べて分かった。



この写真が夜のキカラスウリカラスウリとキカラスウリ両者とも林や藪の草木にからみついて成長する。6月から9月にかけて日没後に開花する。カラスウリは白い花。翌朝日の出前にしぼむ。キカラスウリはやや黄味がかった白い花。翌日午後まで開花し続ける。


両者とも受粉のため夜行性のガを引き寄せる目的で花弁の先が糸状になっている。カラスウリは網あるいはレース状に広がる。キカラスウリカラスウリほど広がりがなく太い。



両者とも秋には細長い果実ができる。カラスウリは赤い実。(左の写真)キカラスウリは文字通り黄色の実。これはまだ写真におさめたことがない。今年の秋には写真を撮ろう。


普段観察することができていた自然の営みが、どんな理由にせよ、それが叶わなくなりがっかりしている矢先に、それに代わる観察材が出現する。嬉しいではないか。都心のマンションに住んでいたらこんなことにはめぐり会えない。三好丘はまだまだ捨てたものでない。