金へんに「矢」の字の鉄道


黒い雲が低く流れ込み、風の冷たい一日。北国では冬の嵐のようだ。きょう26日の誕生日の花はフユベゴニアとラジオ深夜便。春から夏に咲くベゴニアを冬にも咲くよう品種改良したものらしい。わが家にはそんなものはないので、春・夏咲きのもので代理アップだ。


先週、世間を賑わせた話題に新幹線の台車の破断寸前事件だ。博多発東京行き「のぞみ」の台車に見つかった亀裂は破断寸前だったという。停車があと少し遅ければ、どんな惨事を招いたか。背筋が凍る思いだ。担当は、12年前福知山線の脱線転覆事故で107人の死者を出した、JR西日本だったのだ。




そのあわや大惨事の新幹線の事件の詳細はさんざん報道されているので省くが、色々なことを調べているうちに意外なことを知ったのだ。JR各社、四国だけを除いて東日本も西も東海も九州、北海道まで会社のロゴマークの「鉄」の字は金へんに「矢」になっている。



私鉄で近畿日本鉄道が「金へんに矢」を使っていたが、50年ほど前に「鉄」に変えた。理由は沿線の子どもが書き取りテストで「鉄」の字を間違えてしまうから。そんな話は友人の鉄ちゃんから聞いたことがあるが「金へんに矢」にした理由までは聞かなかった。


JR各社が「金へんに矢」を使った理由は、「鉄」では金を失う。「矢」だったら目的地に向かって一直線に飛ぶ。そのイメージがスピードを連想させることからということらしい。近鉄がかつては「矢」を使っていたのもこの理由からだろう。



実のところは「鉄」は「鐡」の略字で「漆」の意味。錆びて漆のように赤くなるという意味。金を失うという「鉄」の字を避けるために旧字の「鐡」を使っている会社もある。「大井川鐡道」「和歌山電鐡」などだ。


それでは、「金へんに矢」は何と読み、どんな意味があるか?「やじり」と読む。矢の先のとがった部分のこと。名古屋・東京間を40分で結ぶリニアが動き出そうとしている時代に前掛け商人の時代に逆戻りしたかのような言葉あそびとは如何なものか?


交通の大動脈を預かる事業者として先にやるべきことはないか?このままだと、金より先に失うのは信用だろう。