適材適所


梅雨時らしく雨の週明け。午後には日差しが戻る。今週から再開予定だったウォーキングも流れとあって新聞を読んでいるとグラリときた。大阪では震度6弱。何だか不吉な予感の週明け月曜だ。きのうのラジオ深夜便で、きのう6月17日の誕生日の花はタイサンボクと伝えていた。


タイサンボクは豊田・藤岡緑化センターでこの時期になると花径50〜60cmもある盃のような形をしたクリーム色の大輪が咲いている。樹高が10m近くもあり、花の写真の撮影は至難のワザだ。この日、運よく写真の撮れるような低い位置に一輪咲いていた。



森友学園問題の集中審議で麻生副総理兼財務相は理財局長を国税庁長官に任命したのはどういうわけかと問いかけられ「適材適所」だったと答えた。つまり、適した人材を、適した地位・任務につけたというのだ。適材適所かミスマッチかは、人それぞれ判断が違ってくるだろう。


誰が判断しても「これはミスマッチ」。へぇ〜と思うようなミスマッチぶりが先日読んだ本に載っていた。高度の数学と測定機器を駆使した野球の理論的な解析により、プレー中の大胆な守備位置の変更など、米国球界では大きな革命が起きていて、日本でも近い内に本格的に導入されるそうだ。



だが、日本では既に40年近く前に、野球の理論的解析の先駆者が出現していた。その人物が鳩山由紀夫元総理。当時30代前半、東工大助手の氏は「野球のOR(オペレーションズ・リサーチ)」と題する論文を発表した。この論文で、四球は単打0.83本分、本塁打は単打2.25本分の価値、打率3割2分・本塁打15本の打者と2割7分・35本の打者の価値がほぼ等しいなどの結論が出されている。


米国で野球の数値的分析が注目される20年以上も前の時代背景を考えれば、その先見の明と分析の的確さは驚きだ。仮に氏が財力にモノを言わせて球団を買収し、自ら監督になって、その理論を実践に導入していたら・・・。無理な話だろう。米大リーグでも、新理論を選手たちに納得させ、成果に結びつけるまでに試行錯誤を繰り返している。


氏にこれができたかといえば、首相時代の業績をみるかぎり、申し訳ないがうまくコトを運べるとは思えない。適材は適所で使わねばならないと、これほど実感させられるケースはない。誰もが納得が行くのではないだろうか。