赤い火星


このところ夜に南東の空を見上げるとひときわ明るい星に目を奪われる。15年ぶりに火星が地球に大接近しているとのことで、確かに半端ない存在感がある。最接近の日が7月31日なのに、それを待ちきれない多治見のブログ仲間が30日にブログにアップしていたほどだ。


クマさんは最接近の31日に2階のベランダから、バカチョンカメラのズームを目一杯伸ばして撮った。こんなに赤かったかと目を疑った。その疑いを晴らしてくれたのが、新聞記事によるとNASA(米航空宇宙局)が火星に送り込んだ探査機だったのだ。酸化鉄、つまり錆びの色なのだ。火星の表面は錆びにおおわれているわけだ。



その赤い輝きに目を奪われる。科学オンチには、火星もその名の通り赤く輝き、今の日本の「危険な暑さ」や「猛暑」も米国カリフォルニヤの大山火事もみんな太陽の怒りのせいではないかと思えてくる。わが家の前の歩道の植え込みでアメリカディイゴが火星の大接近とともに不気味な赤い色の花を咲かせ始めたのと結びつけるのは、ちと考え過ぎか。



肉眼では点にしか見えないが、夜空では月に次いで明るい。それを5千万キロ以上も離れた地球から肉眼で見ているのだと考えると何とも不思議であり、ロマンを感じる。次回の大接近が17年後だと聞くと、おそらくこれが最後でないかという気が不思議さとロマンを余計に掻き立てる。この歳ならではの感慨だ。

                    


ネットで調べると、午後9時ごろには南東に火星、南に土星、南西には木星が並び、明るい惑星の競演が楽しめるとのことだ。10年くらい前、ハワイ・マウイ島ハレアカラ山頂星空観測ツアーに参加した時、3千m級の火山から天体望遠鏡で火・木・土星を観測した。土星の環までくっきり見えた。火星はきょうの写真ほど赤く見えた記憶はない。きょうはそれほど接近しているということだろう。



一方で、残念なニュースもある。北朝鮮が新たな大陸間弾道ミサイルICBM)をつくっている可能性があると云うニュースだ。かの国のICBMといえば、その名も「火星」。赤い国の火星、なんと無粋なことか。