自虐的思考が国を滅ぼす


朝は冷え込んでも、日中は概ね晴れで、きょうもまた過ごしやすい一日だ。庭の垣根の山茶花の蕾が赤く膨らみ、あっちに一輪、こっちに一輪と咲き始めた。八重の山茶花も一輪だけ咲き出した。庭の青々とした八朔も黄色く色づき始めた。暦の上では、来週の木曜22日は二十四節気の「小雪」、北国から雪の便りが届く頃だ。とても、そんなことが実感できないきのう、きょうの陽気だ。



「日本の作文教育が、主張や議論の苦手な日本人を育てている」という内容の論文をまとめた人がいると紹介していたコラムがだいぶ以前の中日新聞の夕刊にあった。その人はカナダで子供を育て現在ニューヨーク在住の女性。子供に宿題として出される作文を見ている内に日本との違いに気がついたという。


向こうで主に書かれる作文は「エッセー」小学校3年からはじまる。まず主題を提起し、それを三つの例を挙げて証明する。最後に違う表現で、もう一度主題を訴えるという流れ。一方、日本は夏休みや年間行事がテーマ。起承転結の四段構成が一般的で技術より気持ちを素直に書くことが求められる。



日米の児童に四コマ漫画を見せて文章を書かす実験をしたところ、エッセー教育を受けてきた米国の児童は全体を把握して書き出すが、日本では時間を追って、平板に説明する子どもが大半だったという。これでは、世界の舞台で議論し、交流する力が育たないのも当然だろう。彼女は「エッセーを書くことは論理的思考や、伝達力を高める一番身近な方法」と指摘する。


これを読んで思った。これだから、日本はダメだと自虐的になる事の方が日本をダメにしているのではないか。日本人の情緒的思考のよさを捨ててまで世界で戦える人間育成教育に走る必要はないのではないか。弱点を補って両立できる教育をすればいいじゃないか。と。


自虐的な考えが、とかく進歩的文化人と云われる人達に多く、社会を混乱させている最近の例が、韓国の最高裁の旧徴用工への支払い判決だ。日本の進歩的思想の学者が、戦前の日韓併合国際法に違反している。そんな状況の中で働かされた人には日本の企業は慰謝料を払うべきだ。そんな説のエールを韓国の一部学者や司法関係者に送った結果だといわれている。「自虐的思考が国を滅ぼす」そんなことを思った。