それぞれの思惑 ヤツデと昆虫


寒さが緩んだ。太平洋側お日様マーク、日本海側雪か雨マークのいつもながらの冬型天気になった。腰が本調子にならず、グラウンドゴルフは休み。名古屋でのランチだけに参加。きょう12月13日の誕生日の花はヤツデとラジオ深夜便が伝える。晩秋から初冬にかけて、ウォーキングの道すがら、和風の庭の民家の裏庭などで見かけることが多い。


開花時期は11月初旬から12月中旬。日陰でもよく育つ。葉が掌状に7〜11裂することからのネーミング。8裂することはほとんどあり得ない。「八」は数が多いことからの命名らしい。別名「天狗の羽団扇(はうちわ)」。大きな葉に魔物を追い払う力があるということからのネーミング。うこぎ科ヤツデ属。



数年前の「季節の花めぐり」でこんな時期に咲くヤツデと昆虫たちの、それぞれの思惑が交錯する自然界の営みについて興味深い話を聞いた。ヤツデは、たくさんの花が集まってまん丸なった姿がピンポン玉のようである。これは、小さな花が昆虫にアピールする作戦であるが、なぜ昆虫の少ないこんな時期を選んだか、それには理由があるという。


蜜を求めてヤツデに集まるのはハエやアブで、それも良く晴れた日に限られる。黒っぽいハエやアブは、寒い日でも日差しがあれば体を温めて活動できるからだ。昆虫にとってヤツデの蜜は冬越しのための貴重な栄養源。ヤツデにとってはライバルとなる花が少ないから昆虫を独占し確実に花粉を搬送させることができる。両者の思惑が交錯して、うまく利害が一致している。自然界の不思議だ。