みちのく紀行 1

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梅雨の最中の「海の日」。この記念日とこの気候がどうもマッチしない。去年のように7月9日に梅雨明けでハッピーマンデーの16日が「海の日」ならしっくり来るのだが。おとといの土曜、庭の草取りをしていたらどこからともなくセミの鳴き声だ。     

 

今年のように梅雨明けが7月下旬にずれこむと、ひと夏に命を懸けるセミの苦悩も深刻だろう。湿っぽい空の下では羽化した羽を乾かすにも時間がかかる。声をかぎりに鳴いたとて、結ばれる相手はまだ土の下かもしれない。あの鳴いているセミは地上に出るのが早すぎたと悔やんでいるかもしれない。

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毎朝5時からのNHKラジオの番組「マイあさ!」の中で「ふるさとマイ朝だより」というコーナーがあり、全国各地のリスナーが電話でその地のたよりを寄せる。一昨日の土曜の朝は北海道松前町のリスナーからのたよりだった。             

 

津軽海峡を挟んだ半島、北海道松前半島、青森下北半島津軽半島にはそれぞれ全国的に有名な郷土芸能がある。松前には民謡江差追分、下北には佐井村の漁師歌舞伎、津軽には五所川原・金木の津軽三味線郷土芸能トライアングルを形作って毎年持ち回りで、それぞれの地で合同発表会をしている。

 

 そんな内容のたよりだった。このうえない親近感を覚えた。それというのも、下北半島の佐井漁港やまぐろで有名な大間崎、津軽半島五所川原や龍飛崎のツアーから帰った翌朝の放送だったからだ。それが、どうした? それを言ったら身もふたもない話だ。こうしたことに感激しているから、長生きできるのだ。

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 この数年間毎年一緒に旅行している麻雀仲間のご近所さんも今年84歳。2年前は北欧までご一緒したのに飛行時間が長すぎて体力的に不安とのことで、昨年は台湾。今年は国内にしよう。それなら地の果て感がある場所だ。この時期、飛行時間が1時間半前後、梅雨の影響が少ない所といえば、本州の北端津軽下北半島ということになり、9日に小牧空港を飛び立ち青森空港に向かった。

 

 

2日目下北半島、本州最北端大間崎に行った。幸い快晴。函館山から恵山岬にかけての北海道の海岸が目前に広がる。実物大のマグロ一本釣りのモニュメントもある。3日目津軽半島最北端龍飛崎に行った。日本海の海と丘の美しいビュードライブだった。青函トンネル記念館階段国道、龍飛崎灯台、「津軽海峡冬景色」歌碑など見どころ多数。薄雲がかかり、大間崎から見た北海道ほどの視界はなかったのが残念。

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ヒット歌謡「津軽海峡冬景色」に綴られた現場を訪れ、現地では色々と社会問題を起こしていたことを知り、改めてヒットの大きさを知らされた気がした。「あの歌のおかげで青森は暗いというイメージができて困る」と青森商工会議所が作詞者の阿久悠に苦言を呈したそうだ。

 

また、大間崎が地政学的に本州最北端であるのに「津軽海峡冬景色」の歌詞の中で「ごらんあれが龍飛崎北のはずれと/ 見知らぬ人が指をさす」と表現しているので、本州北端の町としては面目まるつぶれ。                         

 

大間町議会では作詞者阿久悠に表現を変えるよう訴訟を起こすことを議決したそうだ。最終的には龍飛崎を指さして、北のはずれと云っているのは権威ある人ではなく見知らぬ人ではないか。ということになり大間崎に「ここは本州北端の地」の碑を建てて落着したそうだ。

 

 

 

「避難指示」は永遠の課題か?

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朝7時前後に一雨あったものの、その後は雲が多いが日差しもある梅雨空の週明け月曜。きょう7月8日の誕生日の花はグラジオラスとラジオ深夜便が伝えていた。6月から8月頃にかけて丘陵のあちこちの畑で色とりどりのグラジオラスを見かける。長い穂先に、上から下までズラッと花を咲かせる。 花は片側だけにつくものが多い。あやめ科グラジオラス属。

 

きのうの日曜、珍しい訪問者がふたつ。一つ目はカミキリ虫だ。かつては庭の八朔の木やバラの木でよく見かけたが、最近はさっぱりだった。きのうは、ご丁寧に玄関のドアの前でお待ちかねだった。体長の倍もあるような長い触角が特徴だ。名前の由来は 髪の毛を切るほど大顎の力が強いことから。また「噛み切り虫」からという説もある。

 

もうひとつは、無傷(むきず)のじゃがいもだ。家庭菜園でじゃがいもを収穫した。毎年梅雨入り前に収穫していたが、今年は遅くなってしまった。そして収穫量は毎年写真にあるくらいのものだが、掘り出すときクワで傷をつけてしまうものが、5個や6個はあったが、今年はゼロだった。雨上がりで土が柔らかいのでクワを使うことなく小さいシャベルで堀り起こしたからだ。

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先週は鹿児島・宮崎で記録的な大雨があった。また去年の西日本豪雨から1年目の追悼式が行われたことなど、災害関係のニュースが多かった。そんな中で、東京江戸川区の水害ハザードマップがテレビのニュースで取り上げられ話題を呼んでいる。「区のほとんどが水没。ここにいてはダメ」。区民に危険を周知し、区外への避難を求めるなど備えを促す狙いだろう。一瞬、行政が住民を守ることを放棄したのかと戸惑った人もいただろう。

 

そんな背景がある中で、今回の鹿児島・宮崎の豪雨では気象庁の担当官が盛んに「自分の命は自分で守れ」と訴えるは、テレビ・ラジオではアナウンサーが「すみやかに安全な場所に避難してください」と叫ぶ。両県で110万人に避難指示を出したという。

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 これらの訴えや叫びや避難指示は命を守るために必要な行動だが、何だか、それぞれの持ち場持ち場の人が、後で何か起きた時の責任逃れのために言っているに過ぎないように思えて仕方ない。「どこへ逃げれば安全なのか」「年寄りと幼子を連れて出歩けない」といった不安な声があがるのも、もっともなことだ。

 

お役所だって「避難指示」を出すものの、全員を安全な場所に収容できないことは物理的に無理だとわかっていながら指示せざるを得ない。だから、江戸川区役所のような訴えが出て来るのだ。永遠の課題と受け止めるしかない。「公助」と「自助」というか、役所と地域と個人での責任分担みたいなことをきめ細かくすることで、永遠の課題も半歩くらいは前進するのではないだろうか。

※旅行の為、今週の水曜と金曜はお休み。

一瞬スカッとはしたが・・・

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相変わらずの梅雨空が続く。きのうは、グランドコンデション不良のため、グラウンドゴルフも中止で、ウォーキンググループに急きょ参加。この季節になるとウォーキング沿道の畑や空き地の花壇にカンナを見かけることが多くなった。夏の間ずっと咲き続けている。赤、黄、橙、白など多彩な花の色だ。葉の色がどれも緑だが写真のものはなぜか、紫がかった色だ。珍しいので撮っておいた。

 

赤い色と一口に言っても、「人生いろいろ、赤もいろいろ」だ。カンナの花の赤はどろどろとした血を連想させ、あまり気分のいいものではない。下の写真のわが家の庭の鉢植えケイトウの赤は隣合わせの黄色やバックの紫陽花の白に映えてまばゆいばかりの赤だ。まさに赤もいろいろだ。

 

おととい7月3日の誕生日の花はアガパンサスラジオ深夜便が伝えていた。丘陵の畑の土手で梅雨の頃、紫色の小花をたくさん咲かせる。葉は君子蘭に似ている。根が太く強いので、斜面や土手などの土の流出を防ぐのに役立つとのことだ。それで、畑の土手でみかけるはずだ。百合科アガパンサス属。

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嵐寛寿郎演じる鞍馬天狗が杉作少年の危機を救うために白馬にまたがって颯爽と現れると満員の映画館内は一斉に拍手・・・子どもの頃の映画鞍馬天狗シリーズの最大の見せ場だった。終戦直後、力道山・遠藤組対米国シャープ兄弟のプロレスで米国組の攻撃にひたすら防戦の日本組。何かのきっかけで日本組が空手チョップで猛反撃。逆転勝利で溜飲を下げた日本人ファン。

 

そういった展開にスカッとする日本人、いやクマさんの胸に、いま、二つの出来事が響いているのだ。韓国に対する半導体材料の輸出規制強化や友好国取り消しと、国際捕鯨委員会(IWC)脱退を受けた商業捕鯨再開だ。

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慰安婦問題やレーダー照射の件に始まり元徴用工をめぐる訴訟への韓国政府の態度にイリイラが募り、もう我慢の限界というのがこんどの対抗措置のようだ。捕鯨の方も、反捕鯨国が牛耳るIWCにつきあっては来たがもう限界。席を蹴って退場、これからは日本の海で捕鯨を続けていくことになった。

 

二つの出来事を聞いたとき、一瞬スカッとし陶酔感に浸ったが、よく考えてみれば映画やプロレスのエンターテイメントの世界でのことだ。面倒な国際社会はそんな甘いものではないのだ。気に入らなければ、報復措置、組織から席を蹴って脱退。日本は、いつからトランプ流の手法までマネをするようになったのだ。との批判もあろう。これくらのことをしなければ、日本はナメられぱなっしだ。よくぞやったとの称賛もあろう。

 

批判、称賛が相半ばしているなかで、どうしたもんじゃろう?国際社会では「以心伝心」は通用しない。ディペート(討論)力の弱さが一面にはあると思う。

 

 

 

フードバンク支援センター

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鹿児島や宮崎では、まるで戒厳令が敷かれたかと思われるほどの大雨に対する厳戒態勢というもののこの地方では、きのうのグラウンドゴルフもきょうのウォーキングも蒸し暑いなかで予定通り実施。なんだか、九州の人達に申し訳ない感じだ。

 

この蒸し暑さの中で涼しげに咲いている花二題。ギボウシと八重のクチナシだ。他所では1週間以上前から咲いているのを見かけていたが、わが家のウッドデッキ下のむさくるしい所で涼しげな色のギボウシがやっと咲き出した。葉っぱは幅広で大きい。

 

橋の欄干の上にある、玉ねぎをさかさまにしたような装飾物を「擬宝珠(ギボウシ)」という。この花のつぼみが「擬宝珠」に似ていることからこの名になったといわれる。百合科ギボウシ属。

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もうひとつの涼しげな花は八重のクチナシだ。グラウンドゴルフのホームグランド、桜公園グランドへ行くのに駐車場からだらだら坂を上って行く。道すがらの土手沿いに八重のクチナシの植え込みがあり、この3.4日でやっと一斉に咲き始めた感じになった。純白の花があえぎ、あえぎ登る坂道での一服の清涼剤だ。

 

花にはジャスミンのような芳香がある。一重の花は10-11月ごろに赤黄色の果実をつけるが、ここの八重咲きの種類のクチナシには果実がつかない。

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先月の中ごろ、公民館カフェのカキコをした。みよし市の「がんばる地域応援補助事業」として市からの補助を受けて運営されているものだ。わが地域ではこの補助金を活用して「地域の社会貢献事業」も行っている。地域のミニコミ紙二紙が取り上げて話題になっている。

 

それは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品「食品ロス」を解消しようと地域の集会所の駐車場の一画に補助金を活用して「三好丘緑フードバンク支援センター」を設け、5月末から配布を始めた。同支援センターでは名古屋に拠点を置くNPO法人が食品メーカーや大型食品量販店から寄付された食品を名古屋まで受け取りに行き、地元の「パートナー団体」に「再配布」する組織として活動する。

 

現在パートナー団体は子ども食堂や県営住宅の自治会、社会福祉法人、公民館カフェなど6団体。今まで名古屋まで食品を取りに行かなければならなかったパートナー団体は受取場所が緑フードバンクへと近くなり効率がよくなったと喜ばれている。

 

この活動を3月の区の総会で承認を取り付け、地域全体を巻き込んだ全員参加の社会貢献活動としたこと。そして、高齢化する地域の活性化に多世代交流の場としての公民館カフェに結びつけたこと。発想のユニークさと実行力の凄さに敬意を表したい。

 

ちょっとした一言

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断続的な雨、蒸し暑さ、うっとおしい梅雨空が3日も4日も続く。早いもので、2019年も今日から後半戦だ。きょう7月1日の誕生日の花はハンゲショウラジオ深夜便が伝える。

 

暦の上で季節の移り変わりを掴むために設けられた二十四節気があり、それをより的確に掴むために雑節がある。その二十四節気の「夏至」から数えて11日目が雑節の「半夏生」になる。あす7月2日がその日にあたる。豊田・藤岡緑化センター東端の育樹祭記念広場沿いの林間の沢数十mに渡って群生が見られる。3年前の写真だ。

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 ハンゲショウドクダミ科の多年草で山すその湿地に生育する。6月の後半から8月にかけて分枝した茎の先端に長さ10〜15cmの花ができる。花のころ緑の葉が付け根から先端に向かって徐々に白くなって行く。「ハンゲショウ」のネーミングは白くなって行く様を「半化粧」とする説と、花が咲き、葉が白くなる時期が暦の上の「半夏生」の頃だからという説があるのはこのような理由からだ。

 

 それでは、なぜ葉が白くなるのか?理由は、昆虫に花のある場所を知らせるためだ。普通その役割をするのは花びらなどであるが、ハンゲショウは葉を看板にしているのだ。花が咲き終わって夏の盛りの頃になると、白い葉の白い部分は色落ちして、ふつうの緑色に戻るのだ。以上緑化センター「季節の花めぐり」での先生のお話。

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大阪で開かれたG20サミット夕食会での安倍総理のスピーチが、物議を醸している。総理は豊臣秀吉がつくった大阪城が90年前に再建された。しかし、大きなミスを犯した。エレベーターまでつけてしまった。というスピーチだ。この一言に「五体不満足」が大ベストセラーになった乙武洋匡さんがツィッターで「とても悲しい気持ちになる」とつぶやけば、きのうの中日新聞も「首相大きなミス」「G20あいさつに批判」などと書いていた。

 

名古屋城天守閣木造復元にあたって議論されているように、文化遺産と見るか観光施設と見るかによって議論は分かれるところだろう。SNSの発達で、ちょっとした一言が「炎上」する世の中はなんとも住みにくい。一国を代表する人物の発言だけに、安倍総理には専属のスピーチライターでもつけた方がいいのではとさえ思う。

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きのう多治見で高校の同窓会があった。出席者は120人だった。クマさん壇上で挨拶の機会があった。来年で高校を卒業して60年になる。卒業当時は誰しも実年齢とみかけ年齢に誤差がほとんどない年相応の風貌だった。                     

 

風雪60年経た今ではどうだろう。いまだに老眼鏡なしで新聞が読める者がおると思えば、ハズキルーペが手放せない者もいる。とか7020運動の健全な歯の持ち主で表彰を受ける者もいれば、旅行先で入歯を忘れてくる者もいる。笑いを取るためにこのような例を他にも出して、今では実年齢と見かけ年齢の差は+-10歳位あるだろう。そんなことを挨拶の中に取り入れた。

 

そんなスピーチをして帰宅後新聞を見たら安倍総理のスピーチの一件が出ていた。同窓会の会場へは準備の関係で早くから行って受付の席にいた。120人の出席者の中に杖を頼りの者が4~5人いた。笑いを取るために話したことが、杖を頼りに生活している者の心に傷をつけたのではなかったかと心配になった。

 

結果としてクマさんの心の戒めを安倍さんから頂いたことになる。人前で話す時には「ちょったした一言」に気をつけよう。得点になることもあるが命取にもなる。

 

 

 

もっと強くあってほしい警察官

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台風3号一過の青空とは・・・。そんなわけにはいかないわなぁ。梅雨前線が張りついているこの季節だから。台風去っても暗雲が漂っている。大阪上空が特に。世界の首脳が集まるG20。台風の目ともいえるトランプ大統領、自らの土俵で相撲を取るには先制パンチを浴びせることからと、その極意を夏場所の表彰式に土俵に上がっただけに心得ているようだ。大阪に向かう機中からのツィッターで吠えている。

 

嵐の去った朝のウォーキング、蒸し暑い。沿道には夏の花のお目見えだ。「炎暑」の炎の字を彷彿させるグローリオサ、真夏の早朝に涼しげに咲く一夜花、一服の清涼剤ともいえるムクゲがもう咲いている。一夜花だけに落花群が雨上がりの歩道にべっとりとへばりついている。

 

きのうのラジオ深夜便が6月27日の誕生日の花はホタルブクロと伝えていた。近在の野では見かけたことはないが、5年前豊田・藤岡の緑化センター「季節の花めぐり」で、初めて見た。名前の由来は、花の中に蛍を閉じ込めると、その明かりが外へ透けて見えて提灯(ちょうちん)の役割をするところかららしい。昔は提灯のことを蛍と呼んでいたそうだ。

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実刑の確定後逃走していた男が今週、横須賀市内で逮捕された。男は収容に向かった検察の職員や応援の警官に刃物を振り回して車に乗り込み逃走していた。大阪では交番の巡査が刃物で襲われて重傷を負い、拳銃を盗まれたばかりだ。容疑者は拳銃とともに、近くの山中で確保された。いずれも二次被害がなかったのが救いだが、なんとも後味が悪い。

 

麻雀仲間に警官OBがいる。先日卓を囲んだとき、あのふたつの事件は後味が悪いと話を向けると「横須賀の現場には警官が2人もいながら、刃物を振り回されながら逃がすなんて信じられない。大阪の巡査は不意を襲われた不幸もあり、早い恢復を願うばかりだ。それにしても、それでも負けないでほしかった。警察官はもっと強くあってほしい」

 

OBならではの発言だ。現職だけでなく社会全体にこの声が届いてほしいものだ。

 

 

蘇生拒否、救急隊の葛藤

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梅雨の中休みが幾日も続いたが、週間予報ではあすから1週間はすべて傘マークが並んでいる。台風が列島に向かっているようだ。せっかく実り始めたプラムや柿、桃などの実に被害が出なければ・・・。

 

疑われやすい行動はしない方がよいことの例えで「李下に冠を正さず」という警句がある。先週の金曜のウォーキングの際沿道の農家の庭先でプラムを収穫してきた。このプラムはスモモともいい、春、桜が咲き出すのとほぼ同じ時期に梅や桜に似た白い花が咲く。その実のことだ。酸味が強いことから「酢桃」となり、それが漢名の「李」の訓読みになったのだ。                                 

 

スモモの実を取るつもりはなくても頭の冠をいじっていると取ろうとしているように思われてしまうということだ。ウォーキングメンバーは農家の方の許しを得て収穫した。バラ科サクラ属。柿の実は1ヶ月ほど前にわが家の庭で花の写真を撮ったと思ったらもう実が出来始めている。

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森鴎外の短編小説「高瀬舟」を昔読んだ。病気の弟が自殺に失敗し苦しんでいるのを見ていられず、兄はその手で殺してしまう。そして、兄は殺人罪島流しの刑になる。その兄の境遇を護送する船の中で聞いた役人は「果たして殺人になるか」と疑いを残したまま舟をこいで行く。そんなストーリーだった。

 

渡辺淳一の新聞連載小説「愛の流刑地」を現役時代毎日読んだ。映画化されたものも見た。激しい情事の最中「殺して・・・」と彼女は何度もせがみ、主人公は夢うつつのうちに殺めてしまった。愛すればこその殺人は、正しい行為だったのか?「自分は選ばれた殺人者。だから彼女の為ならどんな罰でも受ける」と法廷で述べる主人公。

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上のふたつの話はフィクションの世界のものだが、現実に救急現場に携わる人たちにとっては深刻な問題のようだ。きのうの朝日新聞が伝えていた。自宅や施設で最期を迎える人が増える中、心肺停止になった際に家族らが119番通報して、駆けつけた救急隊に蘇生処置を断るケースが相次いでいるという。                   

 

その際、都市部の消防本部の25%がかかりつけ医の指示を取り付けるなどの条件つきで蘇生中止を認めていることが、朝日新聞の調査でわかった。中止容認に向け検討を進める本部もあり、広がりをみせる。だが中止について国のルールはなく、救命が使命と考える隊員は、ときに強く葛藤するという。

 

今月の初めのNHKスペシャル。安楽死が認められているスイスに渡った女性とその姉たちの心の葛藤のドキュメンタリーだった。その女性が語った願い。「私の選んだ道が日本での死のあり方を考えるきっかけになること」だった。彼女の願いが一石を投じたともいえる。世の中の動きに法整備が後追いをしているからともいえる。