過労死・塾生不祥事


珍しく週末の2日が素晴らしい秋晴れに恵まれた。サンデー毎日族はこんな日にこそ出控えて野良仕事に精を出すのが社会貢献でないかと、勝手に決め込んで連日汗を流した。週明けの月曜、朝からの雨。お昼前にはあがった。雨上がりの庭に出ると、どこからともなく甘いキンモクセイに香りが漂ってくる。どこも、かしこも秋祭り。まさに、秋たけなわだ。


先週も色々な出来事があり、思うことがあった。自分と何らかの接点のある出来事にとりわけ思い入れがある。一つ目は電通社員の「過労死」事件。もうひとつは、慶応大学の学生団体での不祥事だ。



社会人になって5.6年目、東京で学生時代の友人と一杯やった。彼は電通社員。若造のくせに会社のチケットでハイヤーの使い放題。給料はといえば、金額は忘れたが、びっくりするような額だった。その時、鬼十訓の話も聞いた。後にネットで調べたことがあった。                                   


「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは」「頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそういうものだ」。などなど。いくら世界一の広告会社といえど、今回のような痛ましい「過労死」が繰り返されることは、残念なことだ。こうした経営体質を顧みないトップもトップだが、チェック機能を果たすべき労働組合労働組合だと思はざるをえない。



慶応広告学研究会での不祥事はメディアでの報道のとおりだ。慶応義塾の学内の公式呼称では、「先生」というのは義塾の創始者福沢諭吉先生だけ。教授でも「君」づけ。休講の掲示は「何月何日〇〇君休講」という風だ。


その福沢先生の伝記「福翁自伝」によれば、先生は自他共に認める大酒飲みだったらしい。しかし、女性に対する振る舞いは紳士的だったらしい。「たとい酒に酔っても謹む(つつし)ところはきっと謹み、女のいやがるような禁句を口外したことはない」とのことだ。


先生創刊の「時事新報」には、男性の女性に対する不品行を正す論文を発表されているという。「品位高尚」であるべき塾生の行いは先生にとって許しがたい所業だ。