トヨタとフェラーリ

久しぶりのまとまった雨の一夜が明けたけさは、まさに「光の春」を感じさせる、朝日の光り輝く明るい日差しだった。3日後には「立春」だ。遠くの猿投山がうっすらと雪化粧、肌を刺すような冷たい風だが、着実に日脚は伸びて日差しも強まり、けさのように晴れた日の空の明るさには春が感じられるようになってきている。

 

トヨタの2018年のグループ全体での世界販売が1059万台で2年連続過去最高。メーカー別順位は独フォルクスワーゲン、仏ルノー・日産・三菱3社連合に次ぐ3位。この実績が30日にメディアで報道された。

 

昭和の高度成長時代の森永エールチョコのCMソング「大きいことは、いいことだ」が自動車産業界では、まだもてはやされているのだろうか?業界内部では「百年に一度の大変革」のときである今、メディアが勝手に大きさを煽っているだけだと思える。

 

自動運転技術の開発競争、AI(人工知能)の実用化、そして車の電動化と、大変革期にある自動車業界。世界のトヨタといえども例外ではない。仏赴任中にイタリア・フェラーリ博物館を見学してきた次女一家の婿は先日語っていた。わが道を行くフェラーリは例外だろうと。

 

フェラーリ458は3千万円以上、ポルトフィーノは2530万円から。1億円以上もする限定車もある高級スポーツカーに特化したメーカーだ。年間販売9千台そこそこの小規模メーカーの群を抜く株価に投資家が熱狂する。販売台数当たりの営業利益が1200万円強。トヨタのそれは21万円とのことだ。

 

多くのメーカーが変革の波にもまれるなか、変革に媚びない突き抜けた存在のフェラーリだ。果たして、「桁違い」であり続けられるだろうか。一日の「数限定」でやっている、がんこおやじの蕎麦屋に客が群がる光景を彷彿させる。