「秋の夕暮」と「もののあはれ」

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爽やかな秋晴れが恋しくなるような、どんよりとしてそぞろ寒ささえ感じる秋の日となった。今夜からは下り坂であすの午前中は雨の確率50%の予報だ。            

 爽快な気分の秋晴れの日、昼間には普通の風景だったものが、夕刻には絶景となる事も多い。ある種の絶対的な美しさと切なさをはらんでいるのが、一日の終わり、「夕方」という時間なのかもしれない。「夕暮れ」。そこには詩があり、歌があり、絵画がある。情緒があり、心がある。

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 清少納言は「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮、冬はつとめて(早朝)」が情趣があっていいものだと綴っている。フランスの画家ミレーの代表作は「晩鐘」だ。「♪♪夕空はれて 秋風吹き/ 月影落ちて 鈴虫鳴く /思えば遠し 故郷の空 /ああ わが父母 いかにおわす」スコットランド民謡に詩をつけた唱歌故郷の空」だ。数え上げたらきりがない。

 真っ赤な夕陽につい見とれてしまうことのように折に触れ、目に見、耳に聞くものごとに触発されて生ずる、ひと言では言えない感情つまり、しみじみとした情趣や、無常観的な哀愁を“もののあはれ”というのではないだろうか。「秋の夕暮」に触れて“もののあはれ”を感じるDNAは千年以上の昔から今に引き継がれている。

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11月10日のラジオ深夜便による誕生日の花はガマ。ウォーキングの道すがら、池や湿地で群生している顔なじみだ。夏から秋にかけて、ソーセージを思わせる茶色の花穂が目立つ。秋も今頃になると、花穂の中から綿毛が出て来る。冬になるとブワーッと出てきて飛散する。1本の花穂から出る綿毛には約10万個のタネがあるらしい。     蒲科ガマ属。