八紘一宇


週末の春分の日を機にいっきに季節が大きく動いた。名古屋では21日の春分の日に桜の開花宣言だ。三好丘でも四つ池の周囲の桜は蕾が赤くなり、開花間近。週が明けたきょうから2.3日は寒の戻りだ。一進一退の春街道だ。


毎日のウォーキングコース沿いにある高遠桜は五分咲きと云った所か。陽当たりのいい部分から咲き始めている。初物だけに誰もがその咲きっぷりにはっとさせられる。高さ4〜5mほど樹齢は50年近いだろう。農家の庭に入ってゆくアプローチに1本だけデンと構えている。長野県から開拓で入植された際、故郷ゆかりの木として持ってこられた桜だと聞く。


長野県の高遠城址公園にあるあの有名な高遠桜と同種のタカトオコヒカンサクラだ。花はやや小ぶりの一重桜で、花の色は濃い紅色。満開になると枝が見えなくなるほどの花をつける。 ソメイヨシノなんかに先駆けて咲き、しかも風格あるだけにこの高遠桜は通りかかる人たちの目を楽しませている。



自分の姓名の名の方は「紘」と書いて「ひろし」と読む。親から名前の「紘」の由来を聞いたことがある。日本が建国以来、大切にしてきた価値観に「八紘一宇」と云われるものがあり、そこから一字拝借したものだ。日本が大東亜共栄圏を築きアジアを支配するためのスローガンだった。


社会人になって名刺交換をすると、年配の方からは名前で大体の歳がわかるとよく言われたものだ。そういえば、我々の年代には「勝利」(かつとし)なんていう名前が多い。当時の世相を反映している。そもそもどんな意味なのか、調べたことがある。神武天皇が都を定めたときに語った言葉で「地の果てまで(全世界)を一つの家にすること」を意味するらしい。



先日の新聞の小さな囲み記事。タレントから転身した三原じゅん子自民党参院議員の予算委員会での発言についての記事だ。国際的な租税回避問題についての質問で、八紘一宇とは「世界が一家族のようにむつみあうこと」だとして持論を展開していったそうだ。


三原さん、「八紘一宇」の本来の意味からすればそうかもしれないが、終戦70年首相談話が問題になっているときに、侵略戦争のキーワードともいえるこの言葉を用いるのはちと軽率でないかな?同僚女性政務官が”路チュー”で物議を醸しているが、これも軽はずみだが国内だけで済む問題。三原さんの方は近隣諸国の耳目がうるさい。クマさんの名前をあんまり軽々しく引用しない方がいいと思いますねぇ。