女人禁制の土俵に思う










「花冷え」とは桜が咲き暖かな陽気に浮かれていると、思いがけなく気温が下がるときの季節の言葉で季語にもなっている。桜並木がすっかり葉桜になってしまったこの週末は、つい4.5日前に夏日に襲われた身体には大変インパクトのきつい冷え込みで、「花冷え」とも表現できない「寒の逆襲」とでもいうようなパンチだった。


それでも、年末には枯れ木と化していたのが、今ではしたたるような色で、家庭菜園のシンボルツリーのケヤキの若葉が茂り出したのだ。ウォーキングコース沿道の雑木林にはフジの花が目立つようになってきた。暦の上では、いまは二十四節気の「清明」、万物が若返り、清々しく明るく美しい季節なのだ。



きのうの朝のラジオ深夜便で4月8日の誕生日の花はレンゲと伝えていた。そういえば、近頃田んぼ一面に咲き乱れるレンゲを見ることがなくなった。子どもの頃はレンゲ畑の中でプロレスごっこや相撲をよくしたものだ。みよしに越してから農家の人から聞いたことがある。レンゲの根にはバクテリアがついていて稲の肥料となるため、田植前の田んぼにレンゲを生やしておいた。と。


名前の由来は蓮の花に似た草ということから。開花時期は4月から5月上旬。豆科ゲンゲ属。



先週も色々とニュースが賑やかだった。その中で「女人禁制の大相撲の土俵」問題に一言。自爆テロをする宗教の一派ならともかく、まともな人間の集まりの中で何があろうと「人命第一」ということが常識である。そんな当たり前の問題に大手メディアが特集を組んでまで論議することかと云いたい。そして、問題続出で弱り目に祟り目の相撲協会を寄ってたかって袋叩きにするのは見苦しい。(クマさんも以下に批判をするが、これは声なき声、つぶやきにすぎない)


責められるべきは、相撲協会の体質でないか。公益財団法人として国から保護を受けて、不特定多数の人を集めて興行を行っている。あらゆるリスクを想定したマニュアルをつくって周知徹底を怠っていただけの問題でないか。女性は土俵から降りるようアナウンスをした者は職務を忠実に果たしたのだ。咄嗟の機転を利かせるのは無理なことでないか。少しでも教育しておれば、別だが。協会幹部が責められるべきだ。



大相撲は三つの顔を持ち合わせている。スポーツ、興行、神事。神事には必要なはずの土俵の四隅の柱も、興行との兼ね合いで合理化した。今回の騒動を機会に伝統との兼ね合いでどうするかというような話し合いをすることが必要でないかと思う。


富士山だって、かつては女人禁制だったそうだ。奈良県大峰山や昨年世界遺産に登録された福岡県宗像・沖ノ島も然り。宗教施設と観光施設の兼ね合いを考える局面に突き当たるのではないかと思う。女人禁制の解禁は世の趨勢だろう。ゴルフの世界を見ると顕著だ。


きょう終わった米マスターズの会場オーガスタGCは5.6年前に初めて女性会員を認めた。日本でも霞が関カントリーが東京五輪に際し、IOCから女性蔑視を指摘されている。英スコットランドのミュアフィルドコースは女人禁制維持を宣言して全英オープンの会場候補からはずされた。世の流れはこうなんだ。相撲協会も今回のアクシデントを改革のチャンスと捉えたらどうだろう。