スズメが減った


風は穏やかで過ごしやすい陽気になった。とはいえ、ふながや公園の梅園の白梅もウチの庭の白梅もまだ蕾の状態だ。丘陵地の畑の土手のフキノトウは、まだ冬の名残りある頃から土の中で頭をもたげていただけあってすっかり育っている。


きのうはムクドリなどという珍客の訪問を受けた。4〜5年前に鳥のエサ場を作った当時にはムクドリなどは来たことがなかった。スズメが多かった。ヒヨドリがエサを食べている間、我が家の軒下にある三つの雨戸の戸袋の上に団体で待機しているのだ。おかげで、戸袋はスズメのフンだらけになってしまった。翌年からエサ場はやめてしまった。



エサ場を再開した今年あたりにはそんな光景はまったくない。スズメの数が減ったのだ。きょうの日経新聞のコラムに載っていた。過去20年ほどの間にスズメは少なくとも半分にまで減った。鳥の生態を研究している三上修氏の近著「スズメの謎」から引用していた。


再び雨戸の戸袋を汚されてはと思い、1週間ほど前から米ぬかをバケツに入れてスズメ専用のエサ場を作った。高い所には柿、みかんでヒヨドリと分けた。しかし、思いのほか、米ぬかバケツにスズメが寄ってこない。そのワケが、けさの新聞で何となくわかる気がした。スズメが減り、代わって環境の変化に順応性のあるカラスやムクドリが目立ち、至って評判が悪い。


巣を作りやすい瓦屋根や軒下のある家がだんだん減る。田んぼや原っぱが宅地になってエサが探しにくくなった。自分たちが育ち、親しんだ思い出の風景も消えてなくなったということだ。スズメが寄り付かなくなったワケを知り、複雑な心境だ。