ゴッホのひまわり

今回のツアーはオランダでは4ヶ所の美術館を訪ね、ベルギーでは2ケ所の大聖堂で世界的な絵画の鑑賞に時間を割くことに特色があった。特に美術に関心があってこのツアーに参加したわけでもないが、レンブラントや後にゴッホを生み出したオランダが世界に誇る美術大国であることを、このツアーで改めて思い知らされた。


きょうは4ヶ所の美術館のうちのひとつ、アムステルダムの国立ゴッホミュージアム


以下は2011年4月3日のクマさんの日記の一部。名古屋市美術館ゴッホ展を見てきた感想だ。
        

ゴッホの足跡をたどり素人なりに絵画なるものの基本が分かったような気がする。まずは模写から始まり、遠近法と陰影のメリハリ。故郷オランダやフランス北部で修行中の絵画は暗い印象のものが多く、南フランスに移住した時には明るい絵画が多い。気候、風土が画風に影響を与えているのでは・・・。そんな感想。


せっかくの没後120年を記念しての展覧会、ゴッホといえば「ひまわり」といわれるほどの代表作の展示もしてほしかった。」カミさん描くひまわりもゴッホのそれも区別のつかんような輩が随分えらそうなことをカキコしていたもんだ。



アムステルダムにある国立のゴッホミュージアムは本館と別館に分かれていて、別館は日本の黒川紀章の設計によるもの。ゴッホの油絵200点、素描550点をはじめ、彼に影響を与えたロートレックゴーギャンの作品も展示してある。


19世紀の後半ロンドンやパリを中心にジャポニズムと云って日本の美術に深い関心がもたれ、西洋美術に深い影響を与えたのが浮世絵だった。ゴッホも浮世絵の模写を数多く残し、展示してあった。日本の浮世絵の影響力を改めて思い知らされた。


このミュージアムは写真撮影禁止。そのためか、展示場入り口のロビーだけは撮影可となっていて、柱に大きなひまわりの複製画が展示してあって写真が撮れるようになっている。(写真上)



有名な「種まく人」や「フェルトの帽子をかぶった自画像」や名古屋では家具を持ち込んで実際の寝室を再現展示までした「寝室」も 「ひまわり」もあった。


新たな疑問がわいた。たしか、バブル華やかな頃ジャパンマネーがゴッホの「ひまわり」を50数億円で買ったと云うニュースだ。ネットで調べると損保ジャパン興亜美術館がゴッホの「ひまわり」のある美術館として知られているということだ。ならば、ゴッホの「ひまわり」は日本かオランダかどちらかにあるものが偽物か?それとも、ゴッホの「ひまわり」は複数の作品があるのか?


更に調べてわかった。花瓶に挿した構図のゴッホの「ひまわり」は7作品制作され現存するのは6作品。花瓶のひまわりの本数は3本、12本、15本とか。日本にある作品もこのミュージアムのものも15本。日本にあるものを模写したのがこのミュージアムにあるものだそうだ。そういうことだったのか。



オランダの玄関口アムステルダムスキポール空港の玄関には、ゴッホの「ひまわり」を象徴してのことだろう、ヒマワりの植え込みが長く続いている。オランダの人々の「魂」を日本が札束で買い取ったのではないかというのが新たな疑問だったが、それが色々調べて解けて行った。長くなったカキコも無駄ではなかった。