春深し
朝から雲が広がり、ウォーキング中にも小雨に見舞われた。半月ほど前に開花した桜ソメイヨシノもときの移ろいとともに精彩を欠いて、葉桜が多くなった。かわって、遅咲き系の八重桜や御衣黄(ぎょいこう)桜が見頃となってきた。ご近所さんとの会話も、筍だのわらびがどこそこでもう顔を出しているなどとのニュースが飛び交う頃となってきた。春深しだ。
この時期、四つ池の周囲では遅咲き系の八重桜と盛りを過ぎたソメイヨシノと緑の若葉の、流行の言葉を借りれば、”ビューティフルハーモニー”が実に美しい。
ソメイヨシノが葉桜になる頃、満開となるのが”緑の桜”といわれる「御衣黄(ぎょいこう)桜」だ。ウォーキングコースの東名高速の側道近くの休耕田の中に1本だけ、いま見頃を迎えた。花の色が高貴な貴族の衣裳の萌黄色(もえぎいろ)に近いためのネーミングとか。
花が咲いた時は遠目には緑色、その色はだんだんと薄くなり、黄緑色から黄色、やがて中心部が筋状に赤くなる。下の写真左は4月16日、右は3年前の満開時のもの。
ノートルダム大聖堂の火災は先日のタイガーウッズの奇跡の逆転優勝と同様、世界的な大ニュースになった。けさの新聞各紙も名物コラムで取り上げていた。テレビで大聖堂が燃え盛る映像を見て、石造りの建物がどうしてあんなに燃えるのか不思議だとカミさんがつぶやいていた。
8年前の今頃、パリに行ったとき外から見物しただけだったが自分もそんな印象を持った。建物の中は「森」と言われるほど木材が大量に使われていたようだ。小学校の時、昼休みに先生が読み聞かせをしてくれる物語の中に「ノートルダムのせむし男」があり、今回の火災が忘れかけていた同聖堂の鐘楼を思い出させてくれた。
それにしても、再建資金の寄付約900億円が瞬く間に集まるとは驚きだ。再建のために、文化や芸術作品が持つ力が再び奇跡を起こしてくれるだろう。春は洋の東西を問わず火災シーズンだ。春深し、西も東も火の用心。