ハナミズキ/友活


3月の初めには「風光る」といった視覚的季節感だったものが、立夏みどりの日あたりを境に「風薫る」といった嗅覚的な季節感に変わって来た。薫風が四つ池の周囲の木々を揺らし、若葉をそよがせている。きょうの「みどりの日」。


きょうはいったい何の日だった?問い直さなければ出てこない今日の祝日。祝日と祝日に挟まれた国民の休日だったか?いや、それは昔のこと。今は「みどりの日」だ。そうか、そうだったなぁ。昔の天皇誕生日が「みどりの日」に変わっが、それが「昭和の日」に変わったので押し出されて5月4日に来たのだ。野山も街も新緑の美しいこの時季に「みどりの日」、よかろう。



きょう5月4日の誕生日の花はハナミズキラジオ深夜便でやっていた。パーソナリティー氏の説明によると、およそ100年前に日本から米国ワシントンへ贈った桜の苗木の返礼として日本に贈られたのがハナミズキ。また、ちょうど100年後に起きた東日本大震災の年に、ハナミズキの苗木3千本が被災地に寄贈されることが当時の野田首相オバマ大統領の会談で決まったそうだ。


桜と入れ替わるように咲くハナミズキ。明るく目を引く花、秋につける赤い実、紅葉といずれも魅力満載だ。ヤマボウシに似ていると思ったら、アメリヤマボウシという別名もあるそうだ。やっぱり、和風の庭園より洋風の庭の庭木に似合う。一青窈の歌う「ハナミズキ」も素敵だ。




薫風にそよぐ若葉の中にも自然界の営みはたえまなく続けられている。新緑の葉がまだ柔らかいこの時期に桜の葉には「蜜腺」があって、(写真矢印)そこから蜜を出してアリを誘惑する。何のためか?孵化したばかりの毛虫や蛾の卵をアリがエサとして持って行くからだ。                                      


つまり葉が柔らかい間は毛虫などに食べられやすいので、その「安全保障」のために新芽を出して葉が成熟して硬くなるまでの間、葉の成長、ひいては種の保全のための安全保障として蜜を媒介にして桜とアリは友達になって(「友活」をして)戦略的互恵関係をむすぶのだ。蜜腺の話は「季節の花めぐり」の際の先生の説明の受け売り。桜に限らず多くの植物に蜜腺はあるそうだ。



いつぞやの日曜の早朝のラジオ、5〜6分ほどのコーナー日曜コラムで元NHKアナウンサーの福祉ジャーナリスト村田幸子氏が語っていた話のキイワードは「おひとり様予備軍」「友活」「安全保障」だった。

               

第二の人生を生きている我々は誰しも「おひとりさま予備軍」。おひとりさまになって、家に引きこもってばかりいたら精神的にも肉体的にもマイナスの連鎖が起こるばかり。そんな現象を防ぐのが友達付き合い。友達を作る活動、「友活」は若い20代、30代の若者のものではなく第二の人生を生きる人たちのものだ。それが第二人生の安全保障だ。ざっと、こんな話だった。


自然界でも我ら人間世界でも、いきとしいけるもの、みな「安全保障」のために「友活」をしているのだ。