名古屋刑務所

きのうの午後からの雨が終日降り続いている。連日の乾燥注意報の地域ではいいお湿りだろう。東京では初雪のようだ。


広島刑務所での脱走事件、鹿児島刑務所の生活棟内盗撮事件などが世間を騒がせている折、きのうの悠学カレッジの施設見学講座は名古屋刑務所。過去2度見学したことがあるが、いずれも誰も人がいない休日の作業所の中とか風呂場くらいだったが、今回はいわゆる雑居房や独房の並ぶ生活棟中のまでの見学だった。それだけにポケットの中にあるものはすべてロッカーに預けさせられた。もちろんペンまでも。鹿児島の盗撮はペン型のカメラだったということもあるし、凶器にもなるからということらしい。


ウチから歩いて10分もかからない距離にあってもその中のことはほとんど知らない、近くて遠い存在の刑務所。大変興味があった。名古屋から移転してきたのは昭和40年でかれこれ半世紀になる。全国に77か所ある刑事施設で4番目に規模が大きい。収容定員は2400人で現在2200人余りが収容されている。内外国人は約200人。ブラジル、イラン、中国など。平均年齢は46歳。名古屋刑務所は26歳以上しかも刑期10年以内で過去に刑務所に入った経験のある者を収容している。暴力団関係者が43%を占める。収容者の罪名は窃盗、覚醒剤がほとんど。


受刑者は何らかの作業につく。平日8時から16時40分まで。余暇時間17時30分から21時。作業内容は木工、印刷、板金、自動車部品など。報酬は人によりまちまち。平均1ヶ月3千円。雑居房は6人部屋。余暇時間には備え付けのテレビを自由に見られる。出所の際、感想文をを書かせると、一様に雑居房での人間関係の難しさを訴えているそうだ。


先日のカキコで官憲のタガが緩んでいるなどと指摘したが、こうした現場を目の当たりにすると大部分の人は一生懸命やっている。ごく一握りの不心得者のせいで全体が緩んでいるように思われているのではないかとさえ感じられた。この名古屋刑務所では収容者の半数近くが暴力団関係者。人権団体などの圧力でちょっとでも甘いところを見せればナメられてしまうだろう。刑務官の人たちは、ナメられてはだめ、そうかといって人権問題が絡んでくる。日常の業務では苦慮されることが多いと思う。誇りをもって頑張ってほしいとエールを送りたい。