フィヨルド観光


北欧ツアーのハイライトは何と言ってもフィヨルド観光だ。旅の2日目の夕方デンマークコペンハーゲンを出たクルーズ船が翌日の朝9時半にはノルウェーオスロ港に着く。オスロ港は外海からおよそ100km奥まったオスロフィヨルドの最奥部にあたるのだ。



フィヨルドは波もなく、水面は美しい森と、その中に点在する赤い屋根、白い壁の別荘を映している。ノルウェーフィヨルドの国だ。特に国の西部海岸線はフィヨルド地方と呼ばれている。オスロ市内からバスで北西に300k以上の距離だ。                                                 



午前中のオスロ市内観光の後6時間かけてフィヨルド地方のハダンゲルフィヨルドの最奥部にあるホテルに到着した。


途中針葉樹林帯を通り過ぎると、荒涼たる高原地帯に達する。標高1000m近くだろう。一面残雪だ。春の観光シーズンが始まったばかりで、フィヨルド沿いのホテルも混雑はなかった。翌朝、我々の出発と入れ替わりにホテル裏の桟橋に3万トンはあると思われるクルーズ船が横づけしていたのにはびっくり。そんな大型船が横づけできるほどフィヨルドの水深が深いのだ。



そもそもフィヨルドとは、何百万年も前に、氷河により浸食され形成された海岸線で、湾の入り口から奥まで湾の幅があまり変わらず、非常に細長い形状になる。海岸線の長さが200km、水深・両岸の断崖ともに1000mを超えるものもある。その代表例がソグネフィヨルド(一番上の写真)とガイドさんの説明だ。



その全長200km、周囲には標高1,700mを超える山々が連なり、最深部1300mのソグネフィヨルドのほんの一部グドヴァンゲン〜フロム間約2時間のクルーズをした。切り取ったような深い谷の間をゆったりと流れるソグネフィヨルド 、そのスケールの大きさに圧倒される。




今、手元に図書館で借りてきた東山魁夷の画集がある。彼独特の「東山ブルー」とでも言おうか、あの色調で中国・桂林の漓江(りこう)下りを描いた作品がある。彼がこのフィヨルドをあの「東山ブルー」で描いたらどんなにもすばらしいものだろうかと思いを巡らせながらフェリー、レディーエリザベス号のカフェで寛ぐクマさん。この寛いだ雰囲気をぶち壊すのはやっぱりあの中国人団体の喧騒だ。